カルテット独特な世界観 巻真紀、家森諭高、唐揚げにレモン、音楽はドーナツ

カルテット

期待通りのドラマ。あの独特な世界観、まるで映画を観ていたような余韻に浸った。四人が織り成す不協和音は演奏だけでなく、偶然…では無い意図的な出会いによってスタートした奇妙な共同生活からも垣間見る事が出来た。
極度に声が小さい巻真紀。彼女は一見大人しそうな主婦だが、時間が経つにつれ抱える闇がチラホラ。自分を守るためなら手段を選ばない強さや、夫への不満を口にした途端の冷たい空気感。そんな混沌とした真紀を松たか子さんが見事に演じていて存在感があった。
意外と濃いなと感じたのが家森諭高。予告では見えなかった彼の強烈なキャラクターが印象的だ。しかし単なる飄々とした自由人、というよりは彼も闇を抱えていそうだ。車に乗った男性から「見つけた」と言われていたが彼は何かから逃げているのだろうか?
真面目で素直そうなのが別府司。流石にそんな人も一人は必要よね、そう安心して彼のパートを観ていたが…やはり彼もまた言えない秘密がありそう。他人にズバズバ意見も言えず、いい人でいるのが疲れる…そんな自分を変えたい印象を受けた。
四人の中で唯一、必然的に真紀に出会った事が判明している世吹すずめ。彼女が出会った老婆は真紀の夫の母親。老婆が言う「息子は失踪していない。真紀に殺された」これをすずめはどう受け止めたのか。果たしてこのまま共同生活をしながら最後に裏切る事が出来るのか…女性二人の友情が今後どうなるかも注目している。
そんな共同生活から四人のやり取りを見ていると、クスッとしてしまう事も多かった。最初の食事シーンでは「唐揚げにレモンをかけるか、かけないか問題」が勃発。家森の個性的な主張の数々は激しいが、負けじと応戦するすずめが妙に可笑しかった。この二人はまだまだ大人になりきれない子供の様なコンビだが、ぶつかり合いながらどう成長するのか、恋愛に発展するのか、楽しみでもある。
ふと疑問なのが別府と真紀だ。別府は真紀の事が好きな様に描かれているが、もしかするとこの二人は元々知り合い?偶然出会った様に見せかけているが、別府が真紀に想いを寄せていて、真紀の夫が失踪した事で彼女を救いたいが為にこの計画を提案した?真紀と別府には妙に落ち着いた二人の世界がある様に感じる。以前から知り合いの様だ。
そんな軽快なやり取りからふと突然もの哀しく感じたのが演奏の仕事をベンジャミンさんから奪うシーン。「私たちはキリギリス」真紀の非情さが恐ろしくもあり、彼らが夢を叶えるには仕方のない事だと畳み掛けた何だか切ないセリフ。
しかし「音楽はドーナツ」と、ベンジャミンさんがドーナツの穴に例えて何か一つ抜けた事で音楽というのは素晴らしい演奏が出来上がる。その想いを乗せて「カルテット ドーナツホール」と名乗った別府の優しさに少し救われた気がした。

「全員嘘つき、全員片思い」
この意味が一体何なのか。今はまだ何も見えないストーリーに今後の展開が期待される。

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